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埼玉 熊谷市

"熊谷うちわ祭" 平成11年版

平成11年 7月20日(祝)、21日(水)、22日(木)


 この"熊谷うちわ祭り"平成11年版は、昨年の平成10年7月22日の祭り最終日に熊谷市を訪問して、その日のうちわ祭りの様子を取材して発表した"熊谷うちわ祭り見聞録"の、追録版です。昨年は、降雨がひどく、山車屋台の画像の撮影が充分出来なかったのですが、幸い今年は訪問した20日の祭り初日が、一日中晴天で本当に助かりました。

 熊谷駅をおりますと、駅前広場正面にうちわ祭りの大きな幟幕がはためき、山車屋台を出す各区の辻々には、各種団体や企業の献灯の提灯棚が高くそびえ、会所も設けられていて、見て歩く人誰でもが、すぐにお祭り気分に引き込まれてしまいます。

 昨年と同様に、駅前広場には筑波区の山車が待機しておりました。日本武尊の人形を掲げた江戸鉾台型山車です。唐破風屋根の蛙又と懸魚の彫刻、一層、二層の高欄は漆塗りの地に、金箔の飾り金具や彫刻が浮き出て、火炎を吐くが如く大口を開けた龍の下幕と、飛翔する鶴の刺繍の上幕で飾られた豪華な大型の山車です。

 熊谷はこの外に、4台の江戸型山車と7台の屋台とで合計12台の山車、屋台がありますが、全て3輪式で、山車屋台とも大型です。
町区名を大きく刺繍した幕を、正面囃子台の下に大きく掲げ、お囃子連の徽章幕や人形名の木札を掲げ、直径60センチほどの鉦を下高欄の左右両側で、4、5個吊します。大太鼓1、小太鼓3の形式が、熊谷の山車、屋台の共通の陣立てなってます。
笛は一人か二人の少人数です。数人の笛がお囃子のリーダーとなる他の地域の囃子の陣容と違ってます。鉦と太鼓が主役で演奏する熊谷型山車囃子、と云ってもよいかも知れません。


 駅や商店などに掲示されていました今年の熊谷うちわ祭りの大きなポスターに、以下の記述がありました。

  • 20日(祝日)は、
    「渡御祭」6時15分より、御神輿が市内巡幸。お祭り広場に仮屋を安置。
     19時から20時迄、駅前正面広場にて、初叩き合い。
  • 21日(水)は、
    「巡行祭」13時より17号国道にて、全町の山車、屋台の巡行。
  • 22日(木)は、
     "引き合わせ叩き合い" 20時50分より、お祭り広場。
  • 23日午前0時より、「還御祭」、御神輿が仮屋を出て、本宮へ戻る。
 昨年迄は、祭り初日「渡御祭」日の山車屋台の巡行は、自分の町内を巡行するだけでした。それが、今年は初日から"引き合わせ叩き合い"の場を用意していただいた祭り関係者に方に、深くお礼を申し上げます。国民祝日と重なる20日は、私の様な市外からの観覧客には、全山車屋台を一カ所で見られる引き合わせ、叩き合いの時が最高にありがたいのです。

 そう申しますのは、5台の熊谷の山車は、全て大型で、人形の頭迄の高さが6メーターにもなります。山車は自町の巡行時では、電線などの街路の障害物を避ける為、山車は2層目の鉾台と人形を、一層目の鉾台の中へ引き下ろしてしまいますので、残念なことに、折角の優美な江戸型鉾台山車の完全な姿が見られないのです。自町内を巡行する時の筑波区第弐本町区(本三四区)仲町の山車の画像を、クリックしてご覧下さい。どれも、一層目だけの姿ですので、少し、物足りなさを感じます。第壱本町区、銀座区の山車も同様でした。

 昨年迄の、国道や、お祭り広場に、全山車が集合する叩き合いの時にしか、山車の全容が見られなかったことを考えると、今回の「渡御祭」日に初めて"19時から20時迄、駅前正面広場にて、初叩き合い"を実施したことは、観客への暖かい思いやりの現れで、本当にありがたかったです。来年も、今年同様に「20日の初叩き合い」を実施して下さい。  

 午後6時半、駅前付近は定期バス以外の車輌の交通規制が始まった。観客が次第に歩道を埋め始めました。午後6時40分頃、鉦と太鼓の音を響びかせながら、今年の年番を務める第壱本町区の山車が、神武天皇の人形を高々と掲げて駅前に姿を現しました。昼間の町内巡行では見られなかった2層目の鉾台と人形を上に伸ばした、江戸鉾台型山車の優美な山車の出現で、観客からドット歓声が出て、私も夢中で、カメラのシャッターをきりました。なるほど!大型で豪華な立派な山車でした。
 解説のアナウンスが流れる中、続いて荒川区の屋台が登場しました。3番手は筑波区、続いて鎌倉区、弥生町区、第弐本町区、仲町区、本石区、そして最後が銀座区と、9台の山車屋台が、駅前道路を堂々と巡行して、駅舎に向かって、横一列に並び始めました。右の画像は、左から第壱本町区、第弐本町区、仲町区山車の後ろ姿。クリックすると、左から荒川区、弥生町区、鎌倉区の屋台の後ろ姿の画像です。

 午後7時10分、上鉾台を完全に伸ばした5台の山車と、本石(ほんごく)区、荒川区、鎌倉区、弥生町の4台の屋台とで、合計9台の山車と屋台が、駅前に整列完了しました。駅舎から見て、左から、銀座区、本石区、仲町、第弐本町区、第壱本町区、筑波区、鎌倉区、弥生町、荒川区の順番でした。

 昼間の巡行時でのお囃子は、小中学生が演奏してましたが、叩き合いが予定された夜の巡行であるためか、どの山車屋台とも、経験豊かな大人の囃子衆達で占められ、囃子のベテラン揃いでした。手慣れた様子で、弾みを付けるように身体を左右に振って、太鼓のバチを握った腕を思い切り上へ高く振り上げて、掛け声を出しながら太鼓を思い切り強く叩く様子は、叩き合いが始まる前から、凄い迫力でした。多くの観客に囲まれ、山車屋台同士の対抗意識も昂揚するので、益々、お囃子に力が入るのでしょうね。

 今年の熊谷うちわ祭りでは、年番町の第壱本町区の坂田文義氏が大総代です。午後7時15分、うちわ祭りのスタートを飾るセレモニーが大総代の挨拶で始まりました。大総代は、伝統のうちわ祭りの最高の権限を持ち、祭りの最高指令官であると同時に、その名誉は、後世に歴史として伝えられる権威ある立場です。大総代と記された手提灯を持って、左右隣には、観光協会の責任者と「’99年 桜の大使」のタスキを掛けた浴衣姿の美女を従え、大総代の祝辞(Real Audio G2)も大変、滑らかでした。
右の画像は、大総代の挨拶です。画像をクリックしますと、画像が拡大します。


 そして、合図とともに一斉に「叩き合い」の火蓋が斬られました。凄い!ものすごく元気で、大迫力の賑やかな鉦と太鼓の協奏曲で、聴衆を驚愕させる「熊谷うちわ祭り」の伝統の「叩き合い」(Real Audio G2)山車囃子の開始です。

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