ろ組の祢里は、 祢里蔵と呼ぶのか、確認し忘れましたが、商店街に面したまだ新築されたばかりと思われる背の高い蔵の中へ、後退しながら納められました。
蔵の中段の踊り場(足場・作業台)に登って待機していた数人の若者が、取り外してあった上花の環を万度の上に載せる作業を始めました。又、前日夜祭りの提灯の取り外しも始まりました。
花が取りつけられますと、中段の作業台の奥に保管されていた"出し"を、蔵の天井のクレーンで吊るして、祢里の万度の真上に移動して、しんげん棒に差込むようにして固定してました。各作業は時間を掛けて、ゆっくりと慎重に行われておりました。
三熊野神社大祭の付け祭りとしての祢里の奉曳は、朝祭り、昼祭り、夜祭りとで、それぞれ衣装変えしてます。本来、フル正装の昼祭りでも、雨が降れば"出し"や上花、大幕は外す。なかでも"出し"を載せたり、外したりするには、どうしてもしんげん棒を倒さねば出来ない。従来は、どのようなやり方かをしていたのか、聞いてみたところ、祢里の尻を地面につけて、しんげん棒を止めているかんぬきを外して、しんげん棒を抑えながら、ゆっくりと後側に倒して、"出し"や上花を着脱するのだそうです。
これらの作業を「出しあげ」と呼び、出しの破損などのリスクもあり、難しい作業になっていたが、最近は、このろ組の様に、しんげん棒を倒さずに、着脱ができる新たの方法を各組で取り組み始めたとのことです。多分、足場を作って、クレーン車で吊り上げる形ではないかと、想像します。