Sory,Japanese only.


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"さぁ〜、第38回 八王子まつりを楽しもう!"

8月2日のプログラム

1)ふれあい大行進 2)千人町通りパレード
3)昼の山車 みこし 4)関東太鼓大合戦 
5)千貫みこし    6)民謡流し 

7)夜の山車 みこし

 "居囃子"

 八王子まつりの居囃子が、駅前と、パーク壱番街、グラーン三番街、市森神社と最終日だけ横山町二丁目商店会駐車場が加わっての5ヶ所のステージで行われると、パンフレットに載ってました。
 駅前で最初に見聞した居囃子で、すっかり祭り気分になって、街の中へと進みました。あの軽いタッチの太鼓と笛のリズムは聴いていて、本当に気持ちが浮かれます。囃子に合わせて大げさにならずに、しなやかな身振りと首を軽く振ったりするお多福面の踊りは、すごく愛嬌があります。

 このお多福とヒョットコの画は、横山町二丁目商店会駐車場の居囃子です。テンポが少し早い。囃子に合わせて踊る二人は、腕人形です。幕の内側に仰臥した人が左右の両手腕を使っての演技ですが、これも素晴らしく上手でした。でも、さぞ腕が疲れるでしょうね。

 壱番街、三番街などの洒落た名前に調和した町並みは、洒落た少しゴージャスな雰囲気を感じさせてくれる商店街でした。飲み物店の前で、椅子を歩道に持ち出して、街路の葉陰で冷たいものを口にしながら、祭り囃子を聴きながらくつろげるなんて最高の幸せではないでしょうか。

 
 これは路上に停まって山車囃子をしていた宮下町の屋台のお多福さんの踊りです。やや太った殿方の舞でしたが、見てて感心しました。囃子にあわせて、着物の袖を手にとると、縫いモノのしぐさを始めました。針を持った右手をチョット、頭の髪に触れる仕草は、幼かった時によく祖母がやっていたのを見た記憶があります。

 その針で、布に見立てた着物の袖に針を通し、縫い物をする仕草、格好の上手で巧いことに、思わず "うまい!"と、叫んでしまいました。昔、祖母がやっていた姿にそっくりでした。ホント何か、見てて嬉しくなったのを覚えてます。この時の笛、太鼓の奏者の人達は皆、年輩の方々でした。この人達の後継者がどうなっているのかと、つい余分なことを思いましたが、このすばらしい伝統を守って貰いたいものです。

"民謡流し"

 各地の都市祭りを見聞してますと、山車や屋台の巡行と御輿の他に、民謡踊りなどの披露が必ずあります。
 夜の山車巡行迄には暫く時間があり、正直、歩き疲れてましたので、休憩も兼ねて夕方6時からの民謡流しを見学することにしました。

 パンフレットによると、国道20号の甲州街道のダイエー前から、国道バイパスと接続する追分交差点迄の東西約2kmの間を、何と4千人の踊り手が民謡流しをするとありましたので、どんな様子になるのかと、少し興味もありました。

 追分け交差点方面から甲州街道を進行して来た踊り手の隊列は、駅入り口交差点のダイエー前でUターンをします。Uターンで出来た上り、下りの2列の隊列で、次第に街道は埋められて行きます。

 沿道は、既に団扇を手にした大勢の観客が歩道に腰を下ろして、次々と目の前に迫ってくる踊り手の列に声援を送っておりました。踊り手の中に家族や知り合いがおるのでしょう。浴衣を着た可愛い3、4才の女の子が踊りの列に飛び入りしたりして、観客の笑いを誘ったりしてました。

 やぁ〜、驚きました。八王子祭りの民謡踊りは見事に精錬されてました。長い伝統から生み出されたものと思いますが、踊り手の皆さん全員が自分たちの踊りに完全に溶け込んでしまっていると云っても、過言ではないでしょう。2kmもの長い踊りの隊列が、沿道のスピーカーから流れるひとつの曲に乗って、全員がピタッと、息があった踊りを見せてくれました。四、五十人の各踊りグループの衣裳は、それぞれがお揃いの浴衣や着物ですから、見ていて飽きません。シンクロナイズされた集団の演技は誠に見応えがありました。4千人近い人達が、同じ動作をしている様子を想像してみて下さい。

 八王子の民謡踊りの長い伝統を思わせる理由のひとつは、専用の民謡曲を持っておることです。当日スピーカーから流れていた三つの民謡曲の一部をお聴き下さい。
 正確な名前が分かりませんので、仮に“八王子音頭その1”
♪..わかさでぶつかれ どんとゆけ ふりかえらずに とまらずに... あしたをみつめて だいこうしん たいようのまち はちおうじ...。 

 そして、“八王子音頭その2”と、

 “招福音頭”です。
♪さそい さそわれ みなおどろ おどりじょうずに ふくがくる わらうかどには ふくがくる..。  如何ですか、聴いているだけでも楽しくなりますね。

 踊り手で埋め尽くされた甲州街道の眺めは圧巻でした。

 "夜の山車曳行"

 民謡踊りが少し長引いたので、甲州街道につながる道路で出番を待って待機していた山車や屋台の部隊は、ウオーミングアップも充分で、進行の合図が出るやドッと、曳き手の歓声が揚がって曳行が開始されました。民謡踊り手が一部残っていた街道は、囃子の音と民謡が重なり、祭りの千秋楽をいやが上にも盛り上げておりました。

 八王子まつりの曳きものは、宮下町に代表される江戸時代の屋根付一本柱型山車の形式を引き継いだ八王子型屋台、
 横山町3丁目に代表される豊富な彫刻で飾られた八王子鉾台型山車、
 そして三崎町や元横山町の山車に見られる多彩な彫刻で飾られた鉾台の上に、入母屋造りの屋根を載せた八王子堂宮型山車、
ともに、提灯や照明にライトアップされて囃子も力強く、甲州街道の南北から進行して来ます。画をクリックすると、拡大します。

 やがてお互いすれ違う際には、暫く、向かい合ってその場で停止します。囃子台のお多福や白狐に扮した踊り手は、相手を圧倒すべく全身を躍動させて踊ります。曳き手衆は手に持った団扇を大きく上に掲げ、山車囃子のリズムに乗せて打ち振ります。画をクリックすると、拡大します。

 そばを"せいや" 、"せいや"の掛け声で、御輿が 近づいて来ますと、光と音の協奏曲から狂騒曲へと発展します。

 そして、お祭りも最高潮の時を迎えました。国道の両側に軒を連ねて並ぶ屋台店の照明で、歩車道を右左に動く人波の姿が影絵の様に浮かびあがり、グループ名を記した襟布を頸に掛けた浴衣や着物姿で、民謡流しに参加していた大勢のご婦人達が今度は、観客として祭りを楽しんでおりました。


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