川井は、平成14年下仁田諏訪神社秋季例大祭・山車台巡行の巡行番号札は第参番です。外観は二層鉾台形式で、二層目鉾台と人形は上下の迫り上がり可能な、江戸鉾台型山車です。前後各二輪の四輪式で、両端に前輪が取り付けられた前車軸は、車台と"すべり軸受け"構造になっているので、前車軸と一体の梶棒を左右に振ることで、山車の進行方向が楽に変えられる。 "か組"の山車を観て、直ぐに気が付いたことは、か組は広場に整列した他のどの山車よりも山車本体の長さ、幅が大きくできていることです。囃子台の小太鼓の三人の奏者が、破風屋根を支える左右二本の向拝柱(ごはいばしら)の間に、しかも柱の後ろの位置に、楽に座って太鼓を演奏していることで分かります。他の山車の囃子台は、小太鼓の奏者が向拝柱より前に出て座る形になってます。
そして、山車の高さも他の山車よりも高かったことが窺えます。それは、整列した時の"か組"の山車の二層目の鉾台が一層目の鉾台よりわずかしか上へ迫り上がってません。ですから、二層目の鉾台の四方幕が殆ど見えないし、寸詰まりの妙な外観になってしまってます。二層目の鉾台を高く上げると電線など街路の障害物に当たってしまうので、二層目の鉾台の迫り上げが殆ど出来ない構造に直してしまったからです。今思うと、街中を巡行する時はともかくも、駐車しておる時は思いきって山車の鉾と人形を高く上へ延ばして、均整のとれた江戸型山車の優美な姿を見せて欲しかった。
飾り金具が打たれ、龍の彫刻の鬼板と懸魚をもつ重厚な唐破風屋根を支える前二本の向拝柱には、分厚い大きな昇り龍、降り龍の彫刻が巻かれて見事な見映えです。川井の人形の鐘馗様の拡大画像です。