高岡駅を出た3両連結のワンマンカーのジーゼル車は、まだ雪 に覆われている部分が多い山並みが遠くに望める富山平野を南へ、幸い朝から快晴の好天気に恵まれ、明るい太陽の光のなか、既に田植えの準備で水の引き込まれた田んぼが、遠く近く、後へとゆっくりと流れて行くのが車窓から観られ、深夜バスと駅待合室の狭い空間から開放された想いで、ほっとしたまことに心地よい眺めでした。
午前7時半、終点の城端駅に到着。城端駅で貰った城端曳山祭りのリーフレットを読みますと、平成の大合併で生まれた南砺市の南部の旧平村、上平村、利賀村の三村を合わせた地域は五箇山(ごかやま)と呼ばれていて、この地域はわが国でも有数の豪雪地帯であり、そのような風土から傾斜の急な大きな屋根を持つ合掌造りの家屋が生まれ、隣接する岐阜県白川村の白川郷とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として、世界遺産に登録されたのだそうです。南下する城端線の進行方向の車窓から見えた遠くの雪山は、その五箇山の山並みの一部と知りました。
終点の城端駅は大きな富山駅や高岡駅とは趣が違って、駅員さんが乗降客の一人ひとりから、馴染みの客には笑顔で声を掛けて、切符や運賃を受け取る様子は昔の鉄道駅を偲ばせて、気持ちが和む思いにしてくれました。真新しい曳山祭りのポスターの掲示されている板壁の古さが妙に懐かしさを感じさせる駅舎の前の道は国道304です。リーフレットの曳山祭り順路図をみますと、国道を横断して直進しないで、国道をそのまま左方向に進むと曳山の巡行する区域になるので、国道を歩くことにしました。
城端の曳山は、人形山車と底抜け屋台の組み合わせ |
快晴の空、既に高く昇った太陽の日差しに向かって暫く歩きますと、右へカーブする緩い登り坂となり、少し歩くと「午前8時から終日、車両交通止め」の柵の置かれている四つ角にでました。その先を見ますと、道路左側に止っている曳山が眼に入りました。おっ、と思わず胸の血が騒ぐのを感じました。どこの山車祭りを訪問しても、いつも感じることなのですが、その祭りの山車や屋台をはじめて見たときは胸のはずむのを覚えて、つい駆け脚になって、その傍に駆け寄っちゃうのです。"祭り狂?"、"山車狂?"の習性なのでしょうね(笑)。 東からの太陽が逆光になるので、画面が暗くなるのを承知で、山車と屋台の曳山2基を撮影しました。祭り案内チラシの順路図から、この曳山は出丸町(でまるまち)だと、直ぐに分りました。山車と屋台の両方が、正面を向けて横に並んで居る場面で撮れたのは、この出丸町だけでした。逆光で、写真画像が見難いのはお赦しください。
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